憲法 社会権(8日目)

行政書士試験の憲法の社会権についてやります。

生存権(憲法25条)

具体的権利性:憲法25条1項は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない。具体的権利としては、生活保護法などの具体的立法によってはじめて与えられるとしている。

教育を受ける権利(憲法26条)

教育内容の決定権:普通教育における教師にも教授の自由があるが、完全な教授の自由を認めることはできず、国は必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有する。

義務教育の無償の範囲:授業料の無償を意味し、教科書その他は含まない。

労働基本権(憲法28条)

労働三権:①団結権=労働組合を結成する権利。  ②団体交渉権=労働組合を通じて使用者と労働条件について交渉する権利。  ③団体行動権=ストライキなど労働組合の活動に必要な行動をとる権利。

生存権(朝日訴訟:最大判昭42.5.24)

事案の概要:生活保護法による医療扶助と生活扶助を受けていた者が、兄から仕送りを受けることとなったため、社会福祉事務所長は、生活扶助を打ち切り、医療扶助は一部自己負担とする決定をした事件。

争点:①憲法25条1項は直接個々の国民に具体的権利を賦与したものといえるか。  ②生活保護基準の設定の判断が違法といえるのはどのような場合か。

結論:①直接個々の国民に具体的権利を賦与したものとはいえない。  ②裁量権の逸脱または濫用があった場合は違法となる。

判旨のポイント:憲法25条1項は、すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営み得るように国政を運営すべきことを国の責務として宣言したにとどまり、直接個々の国民に対して具体的権利を賦与したものではない。具体的権利としては、憲法の規定の趣旨を実現するために制定された生活保護法によってはじめて与えられているものといえる。健康で文化的な最低限度の生活なるものは、抽象的な相対的概念であり、何が健康で文化的な最低限度の生活であるかの認定判断は、厚生大臣(現厚生労働大臣)の合目的的な裁量に委ねられており、その判断は直ちに違法の問題を生ずることはない。ただし、裁量権の限界を超えた場合または裁量権を濫用した場合には、違法な行為として司法審査の対象となる。なお、本件では、そのような場合には該当せず、生活扶助を打ち切ったことは裁量の範囲内であり、違法とはいえない。

教育を受ける権利(旭川学力テスト事件:最大判昭51.5.21)

事案の概要:文部省(現文部科学省)企画の全国中学一斉学力テストを市立中学校校長が実施しようとしたところ、テスト実施を妨害した者がいたため、その者らが起訴された事件。

争点:普通教育の教師に完全な教授の自由が認められるか。

結論:認められない。

判旨のポイント:普通教育においては、教師にも一定程度の教授の自由は認められるが、完全な教授の自由を認めることは許されない。そして、国は必要かつ相当と認められる範囲において、教育内容についてもこれを決定する権能を有する。

労働基本権(全農林警職法事件:最大判昭48.4.25)

事案の概要:全農林労組の幹部らが、警職法の改正反対運動の一環として、勤務時間内職場集会参加を指示したため、国家公務員法の禁止する違法な争議のあおり行為を行ったとして起訴された事件。

争点:公務員の争議行為に対する制限は、憲法28条に違反しないか。

結論:憲法28条に違反しない。

判旨のポイント:憲法28条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶが、この労働基本権は、勤労者をも含めた国民全体の共同利益の保証という見地からする制約を免れない。公務員の地位の特殊性と職務の公共性から、その労働基本権に対し必要やむを得ない限度の制限を加えることは、十分合理的な理由がある。

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